どんな本?
仕事に関して書かれたエッセイになります。
筆者独特のはっきりとした物言いが爽快です。
これを読めば悩みが解決するかは分かりませんが、「仕事」に関して考える一助にはなることでしょう。
要約
なかなか主張がはっきりしないタイプの本なので要約が難しいです。
そもそもエッセイを要約するというのがナンセンスかもしれないですね。
とは言いつつ自分なりに要点をまとめてみました。(メモ書き程度で恐縮ですが)
第1章 仕事への大いなる勘違い
仕事で人間の価値が決まるわけではない。
仕事なんて無理にするものではない。でも仕事をしないとお金は得られない。
第2章 自分に合った仕事はどこにある?
周りに流されず自分のやりたいことをやってみよう
まずは何が自分にとって価値があることなのかを考えよう
(結局価値観は人によるのでそこは自分で考えないといけないわけですね。)
第3章 これからの仕事
①メジャよりマイナへ、②ジェネラルよりスペシャルへ、③メディアからコンテンツへ、④開発から維持へ
①マイナ(少数派)への商売が今後は主流になるでしょう。
②替えが効かないスペシャリストが重宝されるでしょう。
③ネットの登場でメディアは衰退して創造的なコンテンツが生き残るでしょう。
④まずは開発に始まり、ある程度発展したらあとは維持(メンテナンス)が主になるでしょう。
第4章 仕事の悩みや不安に答える
個人的な悩みの解決に必要なものは一般論、客観論、抽象論
具体的なことは本人が考え尽くしているから
第5章 人生と仕事の関係
「仕事のやりがい」というのは幻想
「やりがいのあること」というのは、人に見せびらかしたりせずとも、そのことを思い浮かべるだけでにやけてしまうようなそんなもの
読もうと思ったきっかけ
むーさんはサラリーマンをやっているので仕事に疲れることが多々あります。
そんなときに『「やりがいのある仕事」という幻想』なんてタイトルの本を見かけたら手に取ってしまいますよね。
森博嗣自体は中学生の頃に小説を読んで知っていたので、果たして森博嗣が仕事に対してどのような意見を述べてくれるのだろうかという思いで読んでみました。
印象に残ったところ
「仕事」というのは、実に多くの意味で使われている言葉である。たとえば、僕のような理系が最初に思い浮かべるのは、力と距離を乗じて得られる物理量である。だから、仕事というと、ワークよりもエネルギィを思い浮かべてしまう。しかし、この本で使われる「仕事」はそうではない、働いて金を儲ける行為のことだ。
森 博嗣. 「やりがいのある仕事」という幻想 (朝日新書) (p.30). 朝日新聞出版. Kindle 版.
The理系って感じですね笑
本書の中では全然本質ではない部分ですがこういうところ好きです。
食事をするとエネルギィが得られるから、生命活動が続けられる。これと同じように、仕事も、自分の時間や労力と、金という社会エネルギィを交換する。
森 博嗣. 「やりがいのある仕事」という幻想 (朝日新書) (p.64). 朝日新聞出版. Kindle 版.
ここも良いですね。社会エネルギー、、言い得て妙です。
社会エネルギーを消費して財(ものやサービス)を得られる点も示唆に富んでますよね。
個人的な悩みの解決のキィになるのは、一般論、客観論、そして抽象論である。何故なら、具体的なことは、本人がもう充分に考え尽くしているからだ。具体的に解決が難しいからこそ問題になるのである。それに対して、他者からどんなに言葉を飾って励まされても、得られるものは事実上ない。そこに気づいてほしい。
森 博嗣. 「やりがいのある仕事」という幻想 (朝日新書) (p.140). 朝日新聞出版. Kindle 版.
言われてみればそうかもなと思いました。
悩んでるときって、あの上司がムカつくとか、今の仕事が自分に合っているんだろうかとか割と具体的に考えること多いですもんね。
「元気を出したら」なんて馬鹿なことは言わない。元気で解決できる問題というのは、そもそも大きな問題ではないからだ。そうではなく、「元気なんか無理に出さなくても良いから、ちょっと元気のある振りをして、ちょっと笑っている振りをして、嫌々でも良いから仕事をしてみたら? それで金を稼いで、あとでその金を好きなことに使えば良い。それが君の人生かも」と言ったら、身も蓋もないだろうか。
森 博嗣. 「やりがいのある仕事」という幻想 (朝日新書) (p.212). 朝日新聞出版. Kindle 版
意外と優しいこと言いますよね。
むーさんも人生そんなものではと思います。
感想
当たり前のことですが、結局自分のことは自分で考えるしかないんだよな~と思いました。
今の仕事はそんなに好きじゃないけど、今すぐ辞めたいほど嫌でもないし、とりあえず今の仕事続けつつやりたいこと見つからないかな~と日々生きていこうと思います。
本書からの学びを一言で
一般論は一般論であって自分事にあてはめようとすると自己理解が必要
(ちょっと真面目すぎですかね笑)
こんな人におすすめ
- 仕事関係で疲れている人
- ある程度心に余裕がある人
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「やりがいのある仕事」という幻想 (朝日新書) [ 森博嗣 ]
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