久坂部羊『人はどう死ぬのか』を読んで|死と向き合うことは人生と向き合うこと

目次

どんな本?

医師として多くの人の死を見てきた筆者がどのようにして最期を迎えるのが良いかについて記した本です。

要約

延命治療について

医療はあくまでも人間の営為で、

治せる病気は増えたが全ての病気を治せるわけではない。

治せない病気を無理に治療しようとすると悲惨な状況になる。

年齢にもよるが、下手に延命治療を受けるよりも死を受け入れて苦しさを取り除く方向(医療用大麻など)にシフトした方が穏やかに逝ける。

本書では著者の経験から在宅医療を方法の一つとして勧めている。

死と向き合う

上手な最期を迎えるためには心の準備が必要である。

死を不吉なものとして遠ざけるのではなく、向き合う必要がある。

病院で最期を迎えたいか、自宅で最期を迎えたいか、延命治療は必要かなど

そしてそれを家族と共有しておかなければ、

いざ最期を迎えるときに意図せぬ方向に進んでしまうかもしれない

(基本的に家族は救急車を呼んで延命治療をする方向に向かいやすい)

また、死と向き合うことで残りの人生の大切さを実感し

一日一日を有意義に過ごすこともできる

読もうと思ったきっかけ

予てから死というものについて考えてきました。

世の中に絶対は無いと思いつつ、生まれたからには絶対死ぬよな~などと

ただ、日本では(海外でも?)死はタブー視されているし、あまり人とは話せない。

そんな中、気になるタイトルを見つけて手に取りました。

印象に残ったところ

第一、死ぬ間際の慌ただしいときになって、必死に声をかけるくらいなら、なぜもっとふつうに意思疎通ができるうちに言っておかないのか。生きている間に、十分、感謝の気持ちや愛情を伝えておけば、死という生き物にとって最悪の非常時に、改めて念を押す必要などないではありませんか。

久坂部羊. 人はどう死ぬのか (講談社現代新書) (p.95). 講談社. Kindle 版. 

生きているうちに伝えたいことは伝えないといけないですね

祖父母が亡くなったときにも同じことを思ったので、

自分の両親のときには同じ轍を踏まないように日ごろから連絡を取るようにしています。

病院にかかっても、死ぬときは死にます。そもそも医療は死に対して無力です。

久坂部羊. 人はどう死ぬのか (講談社現代新書) (p.106). 講談社. Kindle 版.

医者が言うのだから説得力がありますね。

医療は魔法ではないのだから過信はいけないですね。

感想

本書の大きなテーマの一つである延命治療に関して思うところがあります。

自分の祖母が意識があるのか無いのか分からない状態(動かないし反応もない)で何年も生かされ続けているのを見てきました。

正直見るのが辛かったし可哀想に思ってしまいました。

そんなことがあったから余計にそう思うのかもしれないですが、

なるべく長く健康に暮らして、潔く死にたいものですね。

(まだ先のことなので価値観が変わってるかもしれませんが)

本書からの学びを一言で

人は必ず死ぬから毎日を大切に

こんな人におすすめ

  • 全人類

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人はどう死ぬのか (講談社現代新書) [ 久坂部 羊 ]
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この記事を書いた人

読書、カメラ、健康を愛する20代のエンジニア(工学修士)
現在は東海地方在住

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